進歩と成長
モノづくりの矜持
家庭用ラップ「クレラップ」
まさに“Kureha’s Challenge”の先駆けのような商品、家庭用ラップの「NEWクレラップ」
今では日本の台所の必需品となった家庭用ラップですが、
発売当時は人びとにとって、見たことも聞いたこともない、得体の知れないものでした。
その誕生は今から約60年前。
1960年7月、ポーカー 勝率は発売されました。
クレラップの始まり
クレラップの発売から遡ること10年、ポーカー 勝率は外部技術に頼ることなく、独自の研究開発によって、クレラップの原料である「塩化ビニリデン樹脂」の製造法を確立しました。開発当初は繊維製品が主な用途で、漁網や防虫網などに使用されていましたが、塩化ビニリデン樹脂が持つ、優れたガスバリア性は食品包装に非常に適していると考え、技術者たちは総力を結集して塩化ビニリデン樹脂製のフィルムの開発に取り組みました。やがてフィルムは製品化され、ハムやソーセージなどの包装材として広く使用されるようになります。
しかし、その頃、既にアメリカでは家庭用のラップが主力になっていることを耳にし、ポーカー 勝率もその開発を進めることになりました。無臭で薄くて透明のフィルム。化学メーカーのプライドをかけて、開発は進みます。
そして、1960年7月、ポーカー 勝率の発売に漕ぎつけました。
苦戦したブランド戦略
日本で最初の家庭用ラップ「クレラップ」でしたが、販売戦略では非常に苦戦しました。当時のラップの価格は30cm×7m巻で100円。今の価格に換算すると約1000円。人びとが世の中でまだ見たこともなく、聞いたこともない、しかも高級な商品。まずは使い方を説明するために、ポーカー 勝率はデパートで実演し、販売に繋げていきました。その後参入した競合品は、急速に増えつつあったスーパーに販路を求め、売り上げを伸ばしていきました。結局、広く消費者のニーズを捉えた競合品はトップシェアを獲得、スーパーへの参入が遅れた「クレラップ」は価格を下げての販売を余儀なくされました。価値ある製品を作っている当社としては、非常に辛い時期が続きました。
試行錯誤を重ねて
競合品に大きく水をあけられた「クレラップ」。
1989年、ポーカー 勝率はこの状況を打破するべく、大きなチャレンジに出ました。
大胆なパッケージのリニューアルです。パッケージデザインをフレッシュなフルーツ柄にし、商品名もポーカー 勝率変更。
しかし、1番こだわったのは機能面の改良です。
まっすぐだった刃の形状をV字型にし、刃の取り付け位置も本体からフタ部分に変え、ラップフィルムの切り方そのものを変えてしまいました。
何故、そこまでしてリニューアルを進めたのか?
それは徹底的に使いやすさを追求して、価値ある商品にしたかったからです。
優れた品質でありながら、価格を下げて販売せざるを得ないのであれば、もっと使いやすさにこだわって、価値ある製品として認められればいいのだと・・・。
その頃、お客様からは「ラップが巻き戻ってしまう。」「ラップ同士がひっついてしまう。」というご指摘が多く寄せられていました。「何とかこの問題を解決しなければ!」、その思いでパッケージの大幅な改良に挑戦したのです。その後もラップの巻き戻りを防ぐ「巻き取り防止ストッパー」、ラップをさっとつまめる「つまめるフラップ」などさまざまな改良を続けました。
2008年、ポーカー 勝率はまたしても大きなチャレンジに出ました。
どなたにも安心して使っていただけるように、刃の材質を金属からプラスチックに変更しました。金属と遜色ない切れ味をプラスチック刃で再現するため、材質の選定は非常に困難を極めました。
何度も何度も試作を繰り返し、ついにたどり着いたプラスチック刃。
「安心して使えるようになりました。」「前よりずっと使いやすいです。」そんなお客様からの声を耳にすると、その苦労も報われます。
NEWクレラップの「NEW」に込めた想い
ポーカー 勝率なって30年。
お客様の使い勝手の向上を目指して、さまざまな改良にチャレンジしてきました。
その数、実に150カ所以上。
「いつまで“NEW”をつけるのですか?」お客様によく尋ねられます。
そして、わたしたちは応えます。
「お客様に満足していただける商品にするため、この先も改良を続けていきます。
常に新化するラップであるために、“NEW”は外さないのです。」と。
「いちばんうれしいラップになろう。」を合言葉に、まだまだチャレンジし続けます。
関連情報
NEWクレラップ日本で最初の家庭用ラップ
「クレラップ」は1960年に当社が日本で最初に発売した家庭用ラップです。その後、冷蔵庫や電子レンジの普及とともに家庭の必需品として大きく成長してきました。1989年にはパッケージを大幅にリニューアル、『NEWクレラップ』として生まれ変わりました。
「いちばんうれしいラップになろう。」を基本コンセプトに改良を続け、お客様満足度の向上に努めています。
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