2022年度 活動レポート 第5号:大阪公立大学 vwin德赢ac米兰官方网

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第005号 (Cコース)

モンゴルの希少vwin德赢ac米兰官方网資源の利活用のための代謝物分析技術研修

大阪公立大学大学院農学vwin德赢ac米兰官方网科応用生物科学専攻 
准教授 岡澤 敦司さんからの報告

 2022年8月28日から9月6日の10日間、かねてより交流のあったモンゴル科学アカデミー(MAS)生物学vwin德赢ac米兰官方网所植物バイオテクノロジーvwin德赢ac米兰官方网室のOyunbileg Yungeree准教授を引率者として、他4名の若手vwin德赢ac米兰官方网者を受け入れ、研修を行いました。

 Oyunbileg准教授のvwin德赢ac米兰官方网グループは、モンゴルの希少植物や伝統的な薬用植物の保全のための技術開発を行なっており、受入れ機関実施主担当者の岡澤とは、国際植物バイオテクノロジー学会(IAPB)での活動を通して知り合いました。コロナ禍の中、オンラインで月1回程度の国際交流セミナーを実施し、交流を深めてきました。セミナーには、モンゴル、日本以外にも、インドとマレーシアのvwin德赢ac米兰官方网グループが参加しています。こういったvwin德赢ac米兰官方网交流の過程で、さくらサイエンスプログラムを紹介したところ、Oyunbileg准教授のvwin德赢ac米兰官方网グループよりモンゴルの希少資源のさらなる利活用のために、若手vwin德赢ac米兰官方网者に植物の代謝物分析技術を習得させたいとの要望があったため、プログラムに申請したところ、無事採択に至りました。入国時は、まだMySOSでのワクチン接種証明とPCR検査陰性証明の提示が必要な状態でしたが、5名ともスムーズに入国できたようで、予定の航空便が空港に到着した30分後には無事ゲートでメンバーを迎えることが出来ました。

 研修では、本学農学部応用生物科学科の学生実験室を借りて、植物代謝物分析で汎用されるガスクロマトグラフ(GC)および高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析の実習を行いました。また、植物資源の利活用に関連する学内施設として、教育vwin德赢ac米兰官方网フィールドと植物園の見学、ならびに、農学vwin德赢ac米兰官方网科長室への表敬訪問、vwin德赢ac米兰官方网科長の堀野治彦教授との意見交換会などを行いました。なお、vwin德赢ac米兰官方网科長との意見交換会の様子などは、本学のニュースとしてホームページに掲載されました(https://www.omu.ac.jp/info/news/entry-02035.html)。

【教育vwin德赢ac米兰官方网フィールド見学】

 教育vwin德赢ac米兰官方网フィールドは、大阪という大都市圏にある農業のあり方をvwin德赢ac米兰官方网する実験圃場として活用されています。特に、近年はデジタルテクノロジーを駆使したスマートグリーンハウスで行う省資源型農業の実践に注力しています。この取り組みについて、教育vwin德赢ac米兰官方网フィールド長の横井修司教授から説明を受け、MASの若手vwin德赢ac米兰官方网者からは活発な質問がありました。特に、モンゴルの気候やMASにおける植物資源の保全とも関連して、太陽光発電と農業の組み合わせなどに関心を示していたようです。

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スマートグリーンハウスでのブドウ栽培実験の説明

【附属vwin德赢ac米兰官方网園見学】

 附属vwin德赢ac米兰官方网園では、化石vwin德赢ac米兰官方网とも称されるメタセコイヤなどの裸子vwin德赢ac米兰官方网や、シダなどのvwin德赢ac米兰官方网進化を理解する上で重要な希少vwin德赢ac米兰官方网の保全管理を行なっています。また、vwin德赢ac米兰官方网保全の重要性を一般にも発信しています。それらの取り組みについて、園長の山田敏弘教授より説明を受けました。その後、園内のvwin德赢ac米兰官方网についても観察を行い、活発な意見交換を行いました。

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希少なシダの管理に関する説明

【vwin德赢ac米兰官方网代謝物の機器分析実習】

 研修を受入れるにあたり、測定したい代謝物があれば、分析のための標準物質と植物からの抽出物を持参して欲しいと伝えたところ、Oyunbileg准教授らのグループで長年維持管理してきたカンゾウ根茎の抽出物と、その主要な生理活性成分であるグリチルリチンの標準物質を持参してきたため、それらを対象としてHPLC分析によるグリチルリチンの定量を行いました。サンプル中に予想される量のグリチルリチンが含まれていることを示唆する結果を得ることが出来ましたが、正確に定量を行うためには、より純度の高い標準物質を用いる必要があることもわかりました。また、vwin德赢ac米兰官方网室の学生によるGC分析の演習なども行いました。演習の合間には、MASの若手vwin德赢ac米兰官方网者によるモンゴルやvwin德赢ac米兰官方网の紹介などもあり、vwin德赢ac米兰官方网室の学生とのvwin德赢ac米兰官方网交流を深めることが出来ました。

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分析用サンプルの調製
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カンゾウ抽出物中のグリチルリチンのHPLC分析
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MAS若手vwin德赢ac米兰官方网者によるモンゴルの紹介

 コロナ禍での国内受入れ研修ということで、本当に現地での実施が可能か危ぶむ声もありましたが、JST、本学国際交流課、ならびに、農学部支援室の厚いサポートを受け、無事に研修を実施することが出来ました。やはり、実際に会って会話をすることで、相互理解がより深まったと感じます。修了証を渡したときの、研修生の喜びに溢れる表情は実地研修ならではのものだと思いました。帰国時には台風11号の影響が懸念されましたが、無事帰国したとの報告を聞いて安堵しました。学内の関係者ならびにJSTの関係者に心よりお礼を申し上げます。